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天文館ムービーボーイズ☆インデックス

テーマ:天文館ムービーボーイズ

スマイル(男の子) 天文館ムービーボーイズは とあるきっかけで ちゅうまんが 書き始めた 天文館を舞台とした フィクションです 実在する 天文館 他の 個人 団体とは 一切関係がありません

第1章 桜咲き散る頃

天文館ムービーボーイズ(1-1)「見捨てるな!」
http://blog.tenblo.jp/chuman/kiji/1542.html

天文館ムービーボーイズ(1-2)「17の空席」
http://blog.tenblo.jp/chuman/kiji/1558.html

天文館ムービーボーイズ(1-3)「ライバル2校」
http://blog.tenblo.jp/chuman/kiji/1589.html

天文館ムービーボーイズ(1-4)「敵中突破」
http://blog.tenblo.jp/chuman/kiji/1694.html

天文館ムービーボーイズ(1-5)「ブルース」
http://blog.tenblo.jp/chuman/kiji/1746.html

天文館ムービーボーイズ(1-6)「18才」
http://blog.tenblo.jp/chuman/kiji/1797.html

天文館ムービーボーイズ(1-7)「青年会長」
http://blog.tenblo.jp/chuman/kiji/1825.html

天文館ムービーボーイズ(1-8)「社長令嬢」
http://blog.tenblo.jp/chuman/kiji/1917.html

天文館ムービーボーイズ(1-9)「女医先生」
http://blog.tenblo.jp/chuman/kiji/1932.html

天文館ムービーボーイズ(1-10)「破壊者」
http://blog.tenblo.jp/chuman/kiji/1953.html

第2章

天文館ムービーボーイズ(2-1)「戦隊」
http://blog.tenblo.jp/chuman/kiji/2100.html

天文館ムービーボーイズ(2-2)

天文館ムービーボーイズ(2-3)

天文館ムービーボーイズ(2-4)

天文館ムービーボーイズ(2-5)

天文館ムービーボーイズ(2-6)

天文館ムービーボーイズ(2-7)

天文館ムービーボーイズ(2-8)

天文館ムービーボーイズ(2-9)

天文館ムービーボーイズ(2-10)

戦隊☆天文館ムービーボーイズ(2-1)

テーマ:天文館ムービーボーイズ
「ああ それで 手ごたえは どうだ?」

「なに!遅すぎる」

いらいらした口調で 伊集院は言った

電話の相手は 黙ってしまった

「明日までに答えを出してくれ」

伊集院は一方的に 受話器を置いた

このGWセールで 目玉にしようとしていた パソコンが 未だ入荷していなかった 春のセールで売れ残った在庫品を 一手に買い上げていたが もくろみの半分も集め切れていない

フーと大きなため息をついて デスク後方の大きな窓から 地上を見下ろすと 白髪頭の男が こちらを見上げていた 変なものを見てしまったと言わんばかりに 伊集院は舌打ちした

コン コン 「柏です」 企画室長の 柏が 何人かのスタッフと入ってきた

「社長 着ぐるみが出来てきました」

「ホー」伊集院は機嫌を直して笑顔で立ちあがった

リサイクル戦隊「I(アイ)・デン5」の レッド ブルー シルバー ブラック そして シロが勢ぞろいしていた

若手社員達の引き締まった体に レッドの携帯電話 ブルーの掃除機 シルバーの薄型TV ブラックのパソコン そして シロの旧式炊飯器の 滑稽なかぶり物が アンバランスに乗っていた

「こちらが リサイクKINGの衣装でございます」
ラメ入りのレース地に 鎖などをあしらった ビジュアル系ロックバンドのようなド派手な衣装に 伊集院は 満面の笑みを浮かべた

リサイクルKINGは伊集院自ら構想し 原案まで作るという熱の入れようだった

「やっぱり あなたに頼んで 正解だったな」

「いえ 社長さんのアイディアが 良かったんです」

社長直々の指名で 今回の企画のコーディネーターとなった 超売れっ子デザイナーの キンコーが TVのイメージとは全く違う 礼儀正しい態度で言った

「キンコーさん これから 食事に行きましょう」

「まあ ウレシー」
キンコーが芸風を取り戻して オドケタ

(次回に続く)

この物語はフィクションです

お色気不足☆天文館に取材にGo!

テーマ:天文館ムービーボーイズ
アッカンベー(男の子) なあ Coro なんとか ムービーボーイズの 人物設定が終わったね

犬 そうワンね 駆け足だから 不満もあるけどね

アッカンベー(男の子) お色気や 情感 伏線の張り方など 不足していいるし 若干前後で ズレが起こっているところもある

犬 まあ 公開で 第1稿を書いていると思えば・・ これからの第2章は 登場人物の 各々の目標設定 (晴れ)舞台設定に取り組もうワン

アッカンベー(男の子) そうだね でも どっかで これまでの分 補筆しないとね

犬 それは そうと ご主人 明日の土曜日は久しぶりに 天文館ワンね

アッカンベー(男の子) そうなんだ たぶん 同業の 老壮 若手 20名以上が 天文館に繰り出すよ

犬 何の集まり?

アッカンベー(男の子) 社会保険労務士の鹿児島県会に こんど ソフトボール部と 軽音楽部ができるんだけど その結成の 決起飲み会というところかな

犬 へー何時から?

アッカンベー(男の子) まだ 明るい5時から 集合 1時間程度 打ち合わせをしてから 飲みに突入というところ

犬 社会保険労務士会制度は 40周年なんだってね

アッカンベー(男の子) そうなんだ 制度発足当初の方々が いま 70才前後になられ 20代の若手も どんどん参入してきて 我々中堅と 全世代がそろって バランスが取れてきた

犬 今年は 節目だから みんな張り切っているんだね 

アッカンベー(男の子) うん それに 年金問題なんか 今 社会保険事務所は相談者であふれかえっているんだ 社会保険事務所の人員だけでは対応しきれないので 何かお手伝いできないかと

犬 ああ それで 5月から 週1日 社会保険事務所に行くことになったワンね

アッカンベー(男の子) そうこう 忙しくなってきたけど 久しぶりに(はしご酒祭り以来1か月ぶり) 天文館の雰囲気を楽しんで ムービーボーイズの新展開に味付けをしたいと思います

犬 一応釘を刺しとくけど お色気の取材は ほどほどにね

アッカンベー(男の子) ・・・・踊る音符

破壊者☆天文館ムービーボーイズ(1-10)

テーマ:天文館ムービーボーイズ
「裕二郎 あとのことは 心配せず ゆっくり 休め もうすぐ ばあちゃんも来てくれる」

「はい」

中馬は市民病院をあとにして 携帯の電源を入れた

メッセージが入っている
「美夏ちゃんは無事送り届けました 私はこれから天青会館に向かいます」先に出た 犬山からだ

山之口電車通りから右に折れて 山之口本通り経由で 天文館中心部に向かう

二官橋通りを過ぎ 文化通りとの交差を 右に曲がれば もう 天文館高校正門がみえる

左に曲がれば 伊集院電気ビルと 件(くだん)の広大な空き地が見えてくる

この付近は 飲み屋街 歓楽街で 控え目な自称だが「南九州一」を誇っている

(応募期限は8月31日だったな)

中馬は 伊集院社長とは 数回会った程度である

伊集院社長は 中馬より 一回り弱 年若だが 豪腕の商売人だった 華麗なる一族の3代目なのだが 一族が造り上げてきたコンツェルンの秩序をことごとく破壊する デストロイヤーであった

恩知らず バカ者 よそ者 若造 いろいろな方面から 非難 悪口が 聞こえてきた

中馬は ハラハラしながらも 何か一つの強い思いを抱いて 憎まれ役を演じているようにも見えた

(荒っぽいが スクラップ&ビルドなのだろう・・・)

何かが起こりそうな不安定感・高揚感を胸に 中馬は 来た道を 天高方面へ引き返した

(つづく)

この物語はフィクションです

女医先生☆天文館ムービーボーイズ(1-9)

テーマ:天文館ムービーボーイズ
犬山が 8Fのボタンを押す

「808号室だったな」

「はい」

「へー 裕二郎クンの背番号と同じなんだ」

・(そうだったか)

中馬からエレベーターを降り 正面 ナースステーション脇の名札を見ると 見覚えのある7名の名前が並んでいた

803 原口一郎 上敷領研太 永田修一 佐藤礼二 堂園千杜(せんと) 日高悠
808 中馬裕二郎

「犬山 美夏さんと 先に行っていてくれ オレは 803に寄ってから行く」

803は ちょうど 回診中であった

「君たち 全員 退院ね」という聞き慣れた声がした

母親らしい幾人かが 安堵の表情で 廊下に出かけた女医先生に挨拶をしている

・・・・・

「あら 校長先生」

「お見舞いが遅れて申し訳ありません」

「いえ 裕二郎クンとは話されました?」

「実は まだなんです」

「早く 先生と一緒に 行ってあげてください」
中馬は 生徒や 母親たちの顔を見て 多少気が楽になるのを感じた

・・・・・

「予定変更 808号室から回ります」女医先生が ナース達に やや命令口調で言った

「いいのか?」

「今日は 例外よ」

「それで 裕二郎は?」

「いま 点滴を打っているから 眠っていると思うわ」

「退院できそうか?」

「今日は無理ね 2,3日入院だわ」

廊下の一番向こう端に設けられた 談話スペースから微かな声が漏れてくる

「・・田さん 明日退・・なんだって」
「今・の夕食・・・」

808号室に入ると 正面に見える 桜島が ちょうど 黒々とした 噴煙を吐き出している

ベッドの傍らにいた二人が 振り返って会釈した

「あら 犬山さん それに 美夏ちゃんも」
多美子は 女医先生から 裕二郎の伯母 中馬の妻に戻った口調で言った

(つづく)

この物語はフィクションです

社長令嬢☆天文館ムービーボーイズ(1-8)

テーマ:天文館ムービーボーイズ
病院の玄関で 中馬は携帯を取り出し 電源を切った

受付 待合室のある大きな空間を突き抜けて 廊下をゆっくり歩く 天井がやけに低く感じる

(近く移転すると聞くが 確かに手狭だな)

食堂 花屋 リハビリ室が並んでいる

花屋に入ると先客がいる

武町女子の制服だ 東京のデザイナーが手掛けたというが 濃紺でシックにまとまっている エンブレムの赤い観覧車が印象的だ

「あ 裕二郎クンのおじさんでしょ」

「えっ  ・  ああ そうだけど?」

「わたし 中学の同級生で 伊集院美夏といいます」

「お見舞いに来てくれたの?」

「はい」

「そうか じゃー 一緒に行こう」

中馬は店員に素早く注文し ラッピングのできる間 美夏と話した

「どうして 私が判ったの?」

「いっぺん お家に遊びに行ったことあるんです」

「そのとき 会ってる?」

「はい」

「そうか ごめん ぜんぜん覚えてなかった」

「 ・ 裕二郎クンは 大丈夫でしょうか?」

「ああ 怪我はしてないし 意識も戻って 心配ないそうだ」

「よかった」

・・・・

そこへ 犬山がやってきた

「ふー 間に合った」

「大山 こちら 裕二郎の友達の 伊集院美夏さんだ」

「あっ 美夏ちゃん」

「何だ 知っているのか?」

「はい あの伊集院電気のお嬢さんですよ」

「えっ 伊集院さんのっ ほー」

伊集院電気社長 伊集院岩雄は 天文館では 「話題の人」だった この春 天文館の一等地の広い空き地を購入したのだが そこを どう使うか 公募するという

中馬や平の「敬天会」や 大山の「天青会」にも 応募を求める案内書・応募要項が届いていた

「こりゃ 意外なつながりだな・・・」

(つづく)

この物語はフィクションです

青年会長☆天文館ムービーボーイズ(1-7)

テーマ:天文館ムービーボーイズ
犬山の運転する車は 市民病院へ向かう途中 電車通りの ワシントンホテルと アイムビル(商工会議所)に挟まれたあたりで 信号待ちしていた

「校長・・・」
犬山が声をかけても返事がない

フェンダー越しに覗いて見ると 眠ってしまっている

(タフな校長も 流石に お疲れだな・・・)

信号が変わった 加治屋町方面に直進し 甲突川手前を左折すると 天文館青年会(天青会)の会館が見えてきた

(明日は 総会か)

犬山は 天青会の次期会長に内定していた これまで 会長は歴代40才の卒業前の面々が務めてきた 31才の犬山が会長となれば 異例 ほぼ 2年ごとに 会長となる順番を待っていた 3名ほどを飛ばしたことになる

中馬や 平の おんじょ(おっさん)連中が 嬉々として ビッグ・プロジェクトに取り組んでいるのを見ると 青年会も負けてはいられない 何日か夜も寝付けず考えた末に 買って出たのである

(校長に 相談したかったが・・・「ひっ跳べ」じゃ 明日の総会は 相談なしで乗りきるか)

Zaionを出て 10分後 車は 病院駐車場付近に 数台が順番待ちしている

「校長 ・・・ 校長 ・・・」

「おっ 着いたか」

「はい 駐車場は 順番待ちです 玄関につけますので お先に 病室に向かわれた方が」

「そうだな 少し 眠ったら すっきりした ナポレオン睡眠だ」

(? 校長は ときどき 訳のわからないことを言う)

「犬山 おれは 1階の花屋に寄っていくからな」

(つづく)
この物語はフィクションです

18才☆天文館ムービーボーイズ(1-6)

テーマ:天文館ムービーボーイズ
「リュウちゃん こんなときに なんやが 相談あるんや」

平(たいら)は 関西なまりで 話しかけてきた

「天文館バーガーの話は この前聞いたでー」
中馬が へんな関西弁で返す

「ちゃうがな ちゃうがな 今度は もっと もっと 大きな話や ビッグ・プロジェクトなんやー」

「却下やな」

「話も聞かんで ひどいな~ まあ ええ ママ とりあえず エビスもろとこかっ」

中馬と 平は ちょうど 30年前に 天文館高校を卒業した 天高第1期生である 西郷校長(現理事長)の薫陶のもと 青春時代をともにすごした 平は 数少ない天高生徒の中でラグビー部を創設し 県大会ベスト4にまで上り詰めた 平のプロジェクト好き 陽性のリーダーシップはそのころから変わらない

「今朝は バカな理事どもが 押しかけたそうやないか」

「ああ」

「今度の理事会でも とやかく 言うようなら ワシが どやしつけたる」

「ああ 頼む あげな 意味ん無か 暇つぶしには 二度も三度も 付き合いきれんからな」

やや 博多なまりで 中馬が軽く応ずる

天高卒業後 中馬は 博多産業大学へ 平は 浪速経済大学へ 進学した

その時の西郷校長の言葉は いまでも 思い出す
「大学では よく遊べ 但し 中馬は 博多商人 平は 関西商人を その眼でよく見て 必ず ここに 戻ってこい」

あれから 30年 二人は ここに天文館に骨を埋める覚悟で戻り 動き始めていた

「校長 そろそろ」
犬山が 声をかけた

「お そうだな それじゃ 利通っちゃん ビッグ・プロジェクトの話は 夜の部で聞くよ」

「今日は 大変やから 欠席でもかまわんからな 多美子さん 裕二郎クンに よろしくな ケン(犬)ちゃん 中馬を頼むで」

(アイツといると 18才に戻れる)中馬は Zaion(永遠の都の意味)で元気を回復して 市民病院へと向かった

(この物語はフィクションです)

ブルース☆天文館ムービーボーイズ(1-5)

テーマ:天文館ムービーボーイズ
カラカラーン
「いらっしゃーい」

「いらっしゃいませ」

いつもの 明るい声が 中馬 と 犬山 を迎えた

スーッと いままで つけていた モビルスーツが消えて行った

戦闘態勢解除である

Zaionのカウンター席につくと 気持も落ち着く

BGMには 「島のブルース」が流れている踊る音符
http://www.ongen.net/free/trial_browser.php?id=tr0000081742&file_id=fl0000000001&stream_flag=1

「ママ 鶏飯2つ」

「お飲み物は?」

ガラナにする」

ガラナは 見た目は 褐色で コーラに似た炭酸飲料である
味は 濃い麦茶にジンジャーを混ぜたようだ
ブラジルでは コーラに匹敵するソフトドリンクである

「たいへんなことね みなさん 心配していらしたわよ」三沢あけみ似のママが 大きな目をこちらに向けた

「うん 裕二郎も 入院したんだ」

「えっ 大丈夫なの」

「ああ 多美子がついている」

犬山は 看板娘の 恵子ちゃんと 話し込んでいる

白のブラウスに ジーンズ 淡いピンクのエプロン姿の恵子ちゃんは 市内の大学3年生 法学部で 弁護士を目指しているという いまは まだ 春休み中である

犬山は 31歳 中馬の秘書となり3年目 福岡にある旧帝大出 キレる男だが 世間知らずで 単純なところもある 多少オタク的な独身 裕二郎たちの 兄貴分というとこであった

「ふふふ 犬山 熱いな」(この二人 うまく行けばいいが)

「校長 何を 想像しているんですか」

「何でもないよ」

恵子ちゃんが  一人鍋のスープをアツアツに保つため 固形燃料に火を入れる

お櫃(ひつ)から どんぶりにご飯を少なめによそい スープを多めにかける

1~2分置いて ご飯にスープが 適度に染みたところに 

具材の 鶏肉 錦糸卵 パパイヤ漬けなどの細切り キザミ海苔 ネギ を 混ぜ込み 最後に ゆず胡椒を適量 一気にかき込む

中馬は この作法が 鶏飯の一番の食べ方と思っている スープを後からかけては 熱すぎて 味はわからないし 火傷をしやすいからである

カラカラーン
「リュウちゃん 大変だな」
敬天会幹部の 平(たいら)がやってきた
白の上下スーツに ノーネクタイ 開襟シャツは ハイビスカスの大柄模様である

「よう 利通ちゃん あいかわらず 派手だな」

(つづく)
(この物語はフィクションです)

敵中突破☆天文館ムービーボーイズ(1-4)

テーマ:天文館ムービーボーイズ
「スミマセン」
裕二郎の第一声である

「どこか痛いところはない?」
優しく、伯母の多美子がいう

「ホカノ ミンナ ハ?」

「みんな 無事よ」

「ヨカッタ」

病室には 昨日の花曇りとは打って変わって
夏を思わせるような 日差しが 差し込んでくる

市民病院の 大きな窓越しに 桜島が 雄大な姿を見せる

「おじさんは?」

「3時ごろには ここに 寄れるそうよ」

「たぶん 迷惑かけてるね」

「そんなこと 心配にしないでいいのよ おじさんは こういうことには強いのよ」

その頃

天文館高校校長で 裕二郎の伯父 そして 多美子の夫である中馬は 最後の訪問先 消防署を後にしていた

朝から 警察 教育委員会 市 県の当局 議会各党 各会派を 矢継ぎ早に訪問し 事情説明と陳謝を繰り返した

さらに 地元紙 地元TV局にも 足を運んでいた

すでに 1時過ぎ

「腹が減った」

「そうですね」
秘書兼運転手の犬山も 疲れた声で言った

「どうも 昼のワイドショーでも 取り上げられないようだ」

「いまは ちょうど 国会攻防や 聖火問題で もちきりですからね」

「よかった」

「Zaionへ向かいます」
犬山は 車を いきつけの 居酒屋兼ランチの店 Zaionへと向かわせた

中馬と犬山は 受け身で記者会見を受けるよりも こちらから出向いて 真正面から 敵中突破を試みたのである

「多少の生傷は覚悟の上で 相手の懐に飛び込む」 これは 西郷理事長から 常々受けている 薫陶の賜物である

(この物語は フィクションです)
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