アーカイブ【under's high vol.13 歴史はめぐるもの 海洋国 薩摩】

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【海洋国 薩摩】
 九州をほぼ手中に収めた激動の戦国時代を乗り越え、外様でありながら、加賀百万石に次ぐ大名として江戸時代を迎え、幕末、明治という時代の転換期に大きな役割を果たした薩摩。それを作り上げ、支えた力として不可欠だったものの一つが「海」だと思います。

 南九州は縄文、弥生時代からすでに「海の道」と呼ばれる航路によって交易が盛んに行われていました。時代が下り室町幕府の頃には、高知沖から南九州を経由して中国に至る「南海路」が開かれ、遣明船による勘合貿易に島津氏が深く関わるようになりました。海外との交易を熱心に行った島津氏は莫大な利益を上げ、戦国~江戸時代になるまでの間、薩摩各地には中国はもちろん、タイ、カンボジア、ベトナム、フィリピン、ヨーロッパなど様々な国の船が来航し、まるで海上貿易の国際ターミナルのような場所となっていたので、鉄砲が伝来し、ザビエルがキリスト教の布教にやって来るなど、様々な物や人、文化が流れ込んできました。特に鉄砲は戦国の島津氏にとって大きな力となっていたようです。

江戸時代に入ると、薩摩は琉球に侵攻して従属国にすることで琉球の中国貿易を独占し、さらに与論島以北の奄美諸島を薩摩に割譲させ直轄地としました。幕府が鎖国令を出した後も、主に琉球を介するルートや、名目上は「薩摩沿岸を航行中の外国船が領内に漂着した」と言う事にしておいて交易をするなど、密貿易が行われていました。なぜ幕府の禁令を破ってまで貿易をしていたのか?
 南九州一帯は火山灰土壌の痩せた山がちな土地が多く、しかも台風などの自然災害にも見舞われやすかったので、当時の稲作にはあまり適していませんでした。ですから決して裕福な大名ではなかったのです。そして武士人口の比率も平均の約5倍と多く、その上、外様ながら天下第二位の大藩薩摩には、幕府から木曽川の治水などの様々な工事が押し付けられ、その工事費用など大きな負担を背負わされていました。そのため貿易は苦しい財政を支える大きな柱の一つだったのです。
それ以外にも、海外と交易することによって、鎖国下の日本では入手困難な西洋の知識や、国際情勢も得ることがという理由もあったようです。海外との窓口があるという下地があったからこそ、名君・島津斉彬は生まれたのかもしれません。斉彬を中心とする幕末薩摩の先見性は、この貿易によって培われた情報収集力、分析力が土台になっているような気がします。その情報分析力は討幕運動だけでなく、当時の貿易にも活かされました。それまではどちらかというと受け身な貿易だったのに対し、この頃は伝統工芸品を外国人の好みそうなデザインに変更するなどの商品開発を進め、輸出増大を目指したのです…。

その後、薩摩は鹿児島と名を変え、いつの間にか東京志向が強くなり、「海」に目を向けなくなってしまった気がします。それ以来、鹿児島の存在感は薄くなり、段々と力を失っていったように思います。
私達は今、地方が衰退して行くのを目の当たりにしています。何とかしなければという思いはあるものの、どこかで中央任せというか、他力本願な部分があるように感じます。そうして何もしない地方の体力は磨り減って、取り残されて行くばかりです。
鹿児島は中央から離れた辺境の地かもしれません。しかし世界が注目する中国やインドといったアジアの巨大マーケットには鹿児島の方が近いのです。私達は本気で再び「海」に目を向けるべきではないでしょうか?失われた「薩摩の力」それは海の向こうに眠っているのかもしれません。

text by kentaro.

アーカイブ【under's high vol.13 鹿児島未来構想論 vol.1】

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【鹿児島未来構成論 vol.1】「点と点」

今の天文館と中央駅は、そのまま地方と都会の関係に近いような気がしている。
中央駅近辺の開発は進んでいるが、反面、繁華街である天文館の衰退が著しい。
勿論、鹿児島の玄関口として中央駅が栄えていくことは喜ばしい。どの都市でも人が多く集まる駅周辺は栄えているものである。
しかし、バランスが崩れすぎてしまってもいけない。
もし便利さだけを求めた結果、天文館の淘汰が進んでいくのであれば、それはそのまま鹿児島が更に便利な都会へと飲み込まれていく事を示唆していくようにも思えてくるのだ。そして、より大げさにいえば、地方の問題は、そのまま日本全体の小さなモデルケースとなっているのだと思う。不況による停滞感、少子高齢化、効率化による海外生産、安価な製品の輸入などの影響による産業の空洞化、円高による輸出の低下、デフレーション… これらはすべて今の日本の抱える問題だが、同様に地方にもいえる事だ。逆に言えば、地方が活気を取り戻していく事に、日本が活気を取り戻していく事のヒントがあり、つながっていくのだと思う。
日本が活気を取り戻すには、内需と外需…双方をバランスよく高めていく事が必要となるのだろうが、地方でいうならば、内需(地元の活気、産業の振興)、外需(観光や輸出ともいえる農作物などの需要増加等)といった感じだろうか… 外からの人を呼び込めるような魅力を高めていく事と同時にここに住む我々が改めて鹿児島の良さを見直し、発展させていく事で、「観光と地元の一体化」ともいえる相乗効果を生み出せるようにしていかなければならないのだと思う。
その為に、鹿児島においては、まず「点」と「点」をつなぐことが必要だと考える。
今の鹿児島は、それぞれの「点」の大きさが増減しているだけで密接に繋がってはいない気がする。
例えば、先に述べた「中央駅」と「天文館」。
この距離を遠いと感じるだろうか?近いと感じるだろうか?歩いていくには、遠いと答える人が多いかと思う。
しかし東京など多くの点が存在している場所では、1つの駅から別の駅まで歩いていくことは珍しくない。なぜか?
1つの点から別の点につながっているからだと思う。むしろ、その間を歩く事も1つの楽しみだといえるだろう。
たいした距離でなくても見るものが無く、黙々と歩けば遠く感じる。この例で言えば、中央駅から天文館へ続く導線の整備が不可欠となるのだが…加治屋町近辺に店舗を増やし、急激に変化させていくのは難しい。既に緑地化された電車通りがあるが、道自体も緑のラインを強調し、一体化を図る事で駅と街が繋がっていることをより示していく事から始めるのもいいと思う。
また、加治屋町は天文館と中央駅の中間に位置する。車社会であり時間の無い現在ではなかなか難しいのかもしれないが、近辺の駐車場をより整備し、多くの車を安価で留められるようにすれば、ここを基点として双方を歩き、探索する事で楽しめる1つの商圏を作り上げる事が出来るのではないだろうか。
そして、同時にそれぞれの点は互いが持つ特性を強めていくことも大切だ。
駅には便利さや娯楽性。街は個性を強めていくことで、双方また違う魅力を発揮していく事が出来る。
利便性の高い駅近辺の施設と土地を象徴する街。まず、2つが繋がる事から鹿児島に住む我々の流れも変わり、活性化へと繋がっていくと思う。

鹿児島にとって、最も身近な外需ともいえる「観光」。ここにも「点」が存在する。
例えば、天文館から近いにも関わらず、どこか遠く感じてしまう照国~城山近辺。ここに「薩摩ロード」ともいえる歴史を感じることの出来る導線を整備していく事で、街と歴史をつなげていきたい。
照国神社…街に大きな鳥居がそびえているのはインパクトがある。しかし、その周りは寂しい。出店を常設し、少しでも祭り感を出す事で賑わいを出していく事は出来ないだろうか。
そして、照国から西郷銅像、美術館そして黎明館のある鶴丸城跡へと歩く道。個人的にとても好きな道だ。島津斉彬が日本で初めてガス灯を灯した事に由来する街灯が配置され、風情があると思う。しかし、もう少し何かが欲しい。例えば薩摩の丸十が染め抜かれた旗が数多く街灯にかかり、 道行く途中に茶屋的な気軽に休憩出来る場所もあるなど、歩く楽しさと同時に歴史と文化を感じてもらうことで、観光に訪れた人たちも「今、鹿児島を歩いているんだ。」と思ってくれるようなラインになっていけばいいと思っている。

中央駅から天文館、歴史ロード。そしてもう1つの点がある。
市役所を中心とした点だ。 元々、海に近いこともあり、港町としての風情を持っている場所でもある。
話は少しずれるが、南方新社より発行されている「写真集 天文館」。
1980年代の天文館の風景や人を撮った写真集なのだが、今とはまったく違う風景、人の活気に驚かされる。昭和の香りや人間味を感じられ、とても懐かしくあたたかな気持ちになる。
今の天文館では、そのような空気を感じる事は出来ないが、この写真集を見て思ったのが市役所近辺の名山町や易居町の事だ。この場所にある独特の雰囲気は昭和の名残を残し、特に名山町は歴史的な背景もあるためか、どこか猥雑としたかつての天文館の空気を感じる。
大分県の豊後高田では、元々の町並みを活かして「昭和の町」を再現し、新たな観光地として成功しているのだという。
市役所を基点として、「港大通り」という名があらわすように、港に面した立地を生かし、古き良き雰囲気そのままに新しさを融合させ、この場所ならではの風情を作り上げていく事で、僕らも楽しめつつ、訪れた人たちもまた違う鹿児島を感じることの出来る場所にならないだろうかと考える。
また港近辺には、昔ながらの倉庫もあり名山町とはまた違う情緒がある。NYの「SOHO」では、かつて若いアーティストたちが空屋になった倉庫や工場跡をアトリエやギャラリーとして使い出し、新たな感性の発信場所となった。そうした場所のイメージとシンクロさせ、発展していく事で新しいエリアが生み出させる気がする。
市役所近辺も含め、既に様々な人たちがそれぞれの「場」を作っており、土壌は出来つつあるのだと思っている。そうした1つ1つの点が増え、繋がっていく事で、より多くの人が訪れ、盛り上がっていくことで新たな街が生まれていくのではないだろうか。
そうした様々なルートを周り、辿りつく港は新たな起点として、桜島をはじめ、大隈や離島などに広がっていく入り口となる。 ここから船や車で繋がっていく点を考えたら、鹿児島は僕らが思っている以上に広く、深い…

これらは友人らと「鹿児島がどうなれば良くなっていくだろう」という多くの会話から生まれてきた思いでもある。あくまで個人の考えであり、机上の空論だ。
勿論、形にしていくのは個人の力ではどうしようもない事でもある。失われたものを取り戻すためには、とてつもない長い時間がかかる事でもある。
しかし、誰かに委ねて、ただ何も考えないのでは何も変わる事はない。
今までも書いている事なのかもしれないが、身近な人たちと色々な話をして、想像を膨らまして欲しい。それぞれの「思い」という「点」をつなげていく事が、これからもっと大切になっていくのだと思う。


僕は未来を想像する。多くの人たちが街を楽しそうに歩いている。みんな笑顔だ。遠くで唄が聞こえてくる。向こうでは誰かが絵を書いている。横を走り抜けていく子供たちの目はキラキラと輝いている。
ここ鹿児島は何かが始まりそうな空気に満ちているんだ…

Text by chabin.

under's high vol.14

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アンダーズ・ハイ vol.14、無事、入稿が終わりました。

あとは出来上がりを待つだけとなりました。

特集テーマは「天茶会」。イベントにまつわる物を自分たちで作っていくその過程を通して、伝統や自分たちで何かを創りだそうという事を描いております。

いつもの特集と比べ、想像し、作っていくという形だった為、かなり難航して時間がかかってしまいましたが、またいつもと違う感じになったかとも思います。

8月7日より、少しずつ配布を開始いたしますので、是非、見かけましたら手にとってお持ち帰り下さい。

こちらのブログも制作に追われ、全然、書けませんでしたが、天茶会カウントダウン、そしてvol.13のアーカイブも更新していきたいと思います。

どうか、よろしくお願いします。

天茶会【87/100】

テーマ:ブログ
しばらくアンダーズ・ハイ次号の制作に追われておりまして、更新滞りすみません。

次号のアンダーズ・ハイは、天茶会と呼応した特集テーマという事で… 天茶会にまつわる「物」を制作していく過程や思いを描きます。

実際に、「物」自体を作るため、構想から形にしていくのに時間がとてもかかったりと難航しております。

とても大げさに言えば、[物の開発]。伝統を紐解き、インスパイアされ、僕らの考えや感性を注入した新しく生まれてくるもの… それらが収束していく「天茶会」。

誌面とイベント両方が合わさった特集となります。

今、色々な時代の流れの中で、自分たちで何かを生み出す事をしていかねばならないと強く感じています。

例え、それが拙くとも産み出そうとする行動や思いを表現出来たらと思っています。

「アンダーズ・ハイ vol.14」,そして「天茶会」…良いものを作れるよう頑張ります。

良かったら楽しみにしていて下さい。

under's high chabin.

pre dawn vol.3

テーマ:ブログ
鹿児島の洋服店、Nose Glass,HEXEroom,crackfloorの
3店舗合同で開催しております、PREDAWN。詳細等が決まりました!

8月21日(土曜日)at イパネマ。

今回は1DAYSHOPと称して、イベントの開始前の夕方からガレージセール、
蚤の市的なイメージで合同ショップを設置します。
3店舗それぞれのスタッフが私物を放出!!
各店、過去のアイテムや春夏のセールアイテムも並びます。
色々と掘り出し物が並びそうです!!

1DAYSHOP OPEN15:00~CLOSE18:00
(エントランスフリー)

DJ&LIVEPAINT OPEN18:30 START19:00
(¥500,ワンドリンク付き)
(前売りチケットはございません。
当日、受付でお支払い頂けるとドリンクチケットをお渡しいたします。)

【DJ’s】
●ayumi(crack floor)
●osako(crack floor)
●kentaro(under's high)
●mastugano(田中、)
●chabin(nose glass)

【liveprint】
●juntoki(hexe room)

今回もロックメインの選曲です!大合唱しましょう!
迫力のライブペイントも必見です!
ファッション×アート×ミュージック!をコンセプトに
楽しい夜が過ごせればと思います!

information
crack floor(クラック・フロア 099-210-7266)
hexe room(ヘキセ ルーム 099-801-7858)
nose glass(ノーズグラス 099-224-8106)



フリースペース

LINK SITE (店名をクリックするとHPが開きます。)

【crack floor】(クラックフロアHP・wear&zakka) 


【hexe room】(ヘキセ・ルームonlineshop/wear&zakka) 
         (ヘキセ・ブログ) 

【 recife 】(レシフェ・drink&food&music) 

【drift wood】(ドリフトウッド・outdoor shop) 

【slime】(スライム・hair&make,nail) 

【藤 宝石】(blog/original・jewelry) 

【japonica7】(ジャポニカセブン・古家具再生・制作) 
        (ジャポニカセブン/ブログ) 

【NOSE GLASS】
(ノーズグラスonlineshop・wear&zakka) 
(入荷情報) 

【天ぶろ】
(街と暮らしをつなぐブログポータル) 


【titibisco】
(チチビスコ/cafe) 

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(サンビオラ/cafe) 

【aoba】
(cafe アオバ) 

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(キネンビ&nest coffeeHP) 

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(jk planet HP・jewelry) 

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鹿児島の人や歴史、文化を独自の視点で切り取っていくフリーペーパー「アンダーズ・ハイ」

6ヶ月に1度の季刊発行となります。次号(vol.22)は、2013年11月2日(土曜日)発刊予定となっております。

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